731部隊とは、第2次世界大戦中の中国侵略日本軍の「関東軍防疫給水部」を指す。対外的には「石井部隊」または「加茂部隊」、さらには「石井極秘機関」とも呼ばれた。正式名称は「日本関東軍駐満州第731防疫給水部隊」である。731部隊は、中国抗日戦争と第2次世界大戦の間、生物戦・細菌戦研究と人体実験関連研究に従事した日本ファシズムの機密軍事医療部隊の別称であり、日本ファシズムが中国東北部を侵略して細菌戦争を発動した期間中(1931年から第2次大戦終結の1945年まで)、中国人を虐殺した主な罪証の一つである。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所副研究員)
しかし日本の一部の過激な右翼主義者は現在に至るまで、大勢の被害国の人々の血に染まった悪名高い731部隊の存在を隠し、さらにはこれを否定しようとしている。今年4月には、九州大学の医学歴史博物館が正式に対外開放されたが、展示品の中には、捕虜となった米軍飛行士に対して1945年に日本人教授が行った生体解剖の資料が含まれていた。日本軍国主義は、14年にわたる中国侵略戦争において、罪のない中国人民に対し、凄絶極まりない細菌戦を行ったのである。
日本軍国主義が細菌戦の発動を企んだのにはいくつかの目的があった。第一に、細菌戦特有の殺傷力は、日本軍国主義の発動した中国侵略戦争が大量の資源とコストを節約することを可能とした。日本の細菌戦の元凶の一人である石井四郎はこう語っている。「資源に乏しい日本が勝つには細菌戦に頼るしかない」。「細菌兵器の第一の特性は威力が大きいということだ。鋼鉄で作られた砲弾は周囲の一定数の人を殺傷できるにすぎないが、細菌兵器は伝染性を持ち、人から人へと伝染し、農村から都市へと広がる。その殺傷力の範囲は砲弾をはるかに上回るだけではなく、死亡率も非常に高い。第二の特性は、少ない経費で作ることができるということだ。鋼鉄の少ない日本には特に適している」。「ペストやコレラ、チフスの病原菌は爆弾より安く」、扱いやすい。