抗日戦争勝利70年の2015年9月、私たちは、東アジアにおいてまったく異なる二つの現象を目にすることとなった。一つは、日本の首相官邸前に十数万人が集結して行われた戦争反対のデモである。日本全国では百万人にのぼる人々が反戦活動に参加したとされる。もう一つは、中国政府による軍隊の30万人削減の宣言である。(文:陳言・日本企業(中国)研究院執行院長)
日本の安倍内閣は現在、70年歩み続けた平和の道を放棄し、戦争参加と戦争発動の権限を再び握ることを最大の政治目標としている。日本の民衆や学術界、法律界はこの目標に強烈な批判を向けている。しかし「読売新聞」など保守的世論や自民党の国会内での多数議席に支えられ、「安全保障関連法案」の9月の議会での成立は、安倍内閣にとっては難しいことではなくなっている。
戦争から70年が経った今日、中国は、東アジア及び世界の情勢に対して自らの分析判断を持っている。世界では、全体的な平和の維持が大勢の流れと言える。中国は1985年から軍縮を開始し、軍隊の人数は423万人から323万人にまで減らされた。その後、1997年と2005年の2回の人員削減を経て、軍隊の人数はほぼ230万人前後に保たれてきた。今年、中国は再び30万人の削減を打ち出し、軍隊規模を200万人以内に収めようとしている。過去30年で中国は53%に達する軍隊の人員削減を行ったということである。一方、日本自衛隊の人数の変化を見ると、1985年には自衛隊員の人数は24万5421人、2015年には22万6742人で、減少率は8%に満たない。
安倍内閣、日本の戦争に対する立場を変更
戦争をめぐる問題においては、日本のここ数年の動きはおかしなものであったと言わざるを得ない。日本の民衆の中にも、戦争の参加・発動の権力を持ちたいという安倍内閣に対して批判的な態度を持つ人は多い。
国防の需要を超える軍隊を維持することは、国家の軍事予算を増加させる。これを正当化するには、国家の安全が脅威を受けているというイメージを作り出す必要がある。世論と国際環境を整えるのに、日本の右翼勢力と政治家は熟練した手管を持っている。