招致成功以来、東京五輪の準備作業は紆余曲折を経ている。新国立競技場の建設計画が「白紙」に戻ると、組織委員会は佐野研二郎氏がデザインした、盗作疑惑のある五輪エンブレムを撤回した。
競技場の建設、エンブレムのデザインには、多くのマンパワー、物資、経費が費やされているが、これが「白紙」に戻された。組織委員会と日本政府はこれにむしゃくしゃし、面目丸つぶれになっている。これまでの準備計画が乱れるほか、国際的なイメージの悪化も不可避だ。
予算超過で国民の不興を買い、エンブレムが外国のデザイナーの作品とかぶったことは、一種の偶然でありアクシデントのように見える。しかし詳細に分析すると、両者の裏側には多くの似通った点があることが分かる。
まず、問題が発覚する前から疑問視されていた。競技場の建設計画が発表され、業者が高額の予算を提示すると、多くの日本人の目がくらんだ。佐野氏のエンブレムが採用されると、日本人はさまざまな疑問を呈した。さらに多くのネットユーザーは、エンブレムに日本らしさがないと指摘した。
次に、主催者側の問題処理に遅れがあり、効率が低い。1300億円の予算に基づき競技場の建設を進めることは絶対に不可能という事実を、組織委員会と政府の担当者はよく知ってたはずだ。しかし誰もが責任逃れをし、「暴走」を放任した。エンブレムもそうだ。人々がエンブレムを疑問視すると、主催者側とデザイナーは説明と反論に熱中した。問題を先送りすることで、進捗が大幅に遅れることになった。