それから、両者は主催者側の「権威」に対する過度な信頼と依存心、民意と民間の知恵に対する尊重の欠如を反映した。ロケットスタートを切るためか、日本は英国の超有名建築家のザハ・ハディド氏に新国立競技場のデザインを依頼し、その腕前を深く信じて疑わなかった。日本の有名建築家の槇文彦氏は2013年、伊藤豊雄氏、藤本壮介氏、山本理顕氏ら現地の同業者を集め、抗議を行った。ザハ・ハディド氏のデザインは余りにも大規模であり、環境面の要求を満たさず、かつ総工費が高くつくと指摘した。エンブレムについてだが、東京の五輪招致中に使用されていたのは、日本大学4年生がデザインした桜リースのエンブレムだ。五色の桜はオリンピックの五輪を象徴し、リース状のデザインは五輪が再び日本に「回帰」したことを意味する。さらに東日本大震災の復興への期待が込められ、好評を博した。しかしながら最終的に使用されるエンブレムの募集段階において、主催者側は応募者に対して「有名なデザイン賞を2回以上受賞」という条件を設けた。そのため日本のネットユーザーは問題発覚後、桜のエンブレムを採用するよう呼びかけると同時に、主催者側が受賞歴ばかりを求め失敗したことを皮肉った。
日本の各界では、この2つの件を巡り懸念が広がっている。日本メディアは「こんなオリンピックの運営に信頼できるか?」と疑問を呈している。オリンピックは国際的な祭典だ。しかしオリンピックは民族性を備えるべきで、自国民から広く受け入れられるべきだ。自国の問題を厳しく取り除き、自国の特長を十分に吸収するのだ。民族らしさのあるものが、世界に受け入れられると言えるのではないか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月7日