日本の与党・自民党は8日、総裁選の告示を行った。競争相手が現れなかったことから、現職の安倍晋三総裁が無投票再選を果たした。これは自民党内が一枚岩であることを意味せず、各派閥が局面のバランス化を図り念入りに計算した結果だと分析されている。
安倍首相は党内で一定の力を持つ。その他の派閥の政治家が軽率に挑戦すれば、成功の十分な可能性がないばかりか、自身の党内における政治的地位に悪影響が生じ、さらには政治の資源を浪費することにつながる。
時期的に見ると、安倍首相は安保関連法案の成立を目指している。その成功は、自民党の国会・政界における地位に影響を及ぼす。ゆえに自民党内の派閥は全体情勢を鑑み、現状維持を選択した。
さらに重要なことは、安保関連法案を推進する自民党が、後には引けなくなったことだ。党内の多くの派閥、安保関連法案の採決を願う右派も含め、このタイミングで安保関連法案という厄介な問題を抱え、国民に恨まれる対象になろうとしなかった。
安保関連法案を巡るすべての「火力」が安倍首相に向けられ、「悪人」のレッテルがしっかりと貼り付けられている。今後もし日本人が安保関連法案により海外の軍事活動に参加し死亡することがあれば、その責任は各派閥ではなく安倍首相が負うことになる。各派閥は、そのことをよく知っている。
安倍首相は「破格」の待遇で自民党総裁に再選した。しかし国民の支持率は谷底まで落ち込んでおり、安倍首相に反対する大規模な抗議集会も記憶に新しい。
安倍首相の真の試練は、来年の参院選だ。自民党総裁の任期は2018年まで続くが、これは3年間安泰というわけではない。安倍首相が外交面で大きな進展を実現しなければ、支持率は低迷を続けるだろう。参院選で失敗すれば、自民党内で声をひそめる反対勢力が機に乗じて決起するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月14日