25日付日本経済新聞によると、自民党は24日、党本部で両院議員総会を開き、総裁選で安倍晋三首相が無投票で再選されたことを正式決定した。安倍首相は記者会見で、「アベノミクスは第2ステージに移る」と述べ、アベノミクスの「新たな三本の矢」を発表した。安倍首相は新たな三本の矢により、「1億総活躍社会」を目指すと述べた。
新たな三本の矢
安倍首相が打ち出した新たな三本の矢は、経済発展、社会保障改善、子育て支援だ。国内総生産(GDP)を600兆円とし、出生率を1.8にし、介護離職ゼロとすることが目標だ。安倍首相は記者会見で、「日本が解決に向け着手していなかった、社会構造の課題に取り組みたい」と述べた。
新たな三本の矢は経済重視の政権運営の姿勢を示し、政策の重点を安保から経済と社会保障に移そうとしている。安倍首相は経済発展の目標として、GDPを20%ほど成長させるとした。しかしながら新たな三本の矢の政策が、いつどのような手段によりこの目標を実現するかといった具体的な内容については明言されなかった。
安倍首相はデフレ対策として、2012年末より「大胆な金融改革」、「フレキシブルな財政」、「成長戦略」を三本の矢とするアベノミクスを進めてきた。この三本の矢は2013年、景気回復の一定の効果を発揮したが、効果はその後薄れていった。
新旧の三本の矢は、打ち出された背景と着眼点が異なっている。中国社会科学院日本研究所外交研究室主任の呂耀東氏は、「旧三本の矢は日本の景気低迷を背景とし発表され、マクロ面の量的緩和策が中心だった。新たな三本の矢の重心は国民生活に置かれており、年金、子育て、社会保障の改革を打ち出した」と指摘した。