OLの王さんは国慶節(新中国成立記念日)の長期連休中に訪日した。長いショッピングリストで一番最初に挙げられていたのは、最近人気の小学生のランドセルで、価格は3000元。王さんは、「ランドセルの価格は平均で3−5万円で、高いものだと10万円する」と話した。
消費者はなぜ海外で売られている、小学生のこれほど高価なランドセルに群がっているのだろうか?王さんは、「このランドセルには、それだけの価値がある。耐久性が高く、1年生から卒業まで使用でき、さらに高い機能を持つ」と語った。例えば児童が後ろ向きに転倒した場合、もしくは自動車に後ろから衝突された場合、ランドセルは緩衝作用を発揮する。震災の際に、児童はランドセルで頭部を保護できる。溺れた場合、児童はランドセルを浮き輪代わりにできる。ランドセルには迷子防止の装置まで取り付けられている。まさに緊急時の安全対策の神器だ。「中国の小学生のかばんは派手だが、機能は単一的だ」
中国伝媒大学の姚林青教授(産業経済学)は、「これは消費者が海外製品を崇拝しているのではなく、中国の消費アップグレード後の製造業の弱点を浮き彫りにしている。日本の小学生のランドセルが好評を博しているのは、その付加価値、つまり個性的な機能、人に優しいデザインによるもので、消費者の個性や特徴に充分に配慮している」と分析した。
しかし一部の中国人消費者は、ランドセルが国情に合わないと指摘している。形が固定されており、押し込むことができないため、中国の机に合わない。サイズが小さすぎ、その他の本は手に持ち通学しなければならない。迷子防止装置は中国で使えない。ランドセルの中には鉄の板が入っており、重めだ。中国の都市部で生活していれば、地震に遭遇したり溺れる可能性は低く、負担が余計に増えるばかりだ。