韓国・聯合ニュースの5日の報道によると、米国議会調査局(CRS)はこのほど発表した調査報告書の中で、「日本の安倍晋三首相の政権運営は日米関係により堅固な基礎をもたらしているが、安倍首相の歴史問題の観点は隣国関係の緊張化を引き起こし、米国の同地域における利益を損ねている」とした。韓国メディアは報告書のこれらの描写を、「日本を暗に批判している」と解釈した。
この「日米関係:議会の議題」と題された報告書によると、米国は常にバランス化に取り組んできた。報道によると、米国は同盟国との関係の深化をアジア太平洋リバランス戦略の一環とし、地域内の関係を乱さぬよう日本に暗に圧力をかけている。また多くの人は、冷戦終了により日米同盟は戦略的な存在理由を失ったと考えている。しかしこの同盟は、中国が台頭する環境において、新たな指導原則を見出した。
報告書は安倍首相の歴史問題の立場を懸念し、「歴代首相と比べ、安倍首相は一連の問題でナショナリズムを強めており、中国と韓国に対して非常に悪い印象を与えている」とした。報告書は慰安婦などの問題に注目した。日本は歴史を隠そうとし、安倍首相は世界反ファシズム戦争勝利70周年の談話でも、中韓から承認されなかった。報告書は、「日韓関係の緊張により、米国が米日韓同盟により中国の台頭と朝鮮問題を管理するための利益が損なわれた」とした。
報告書はまた、「米日防衛協力は過去数十年で改善された。これは両国が軍事関係の調整を続け、朝鮮の弾道ミサイルや、日中の島嶼を巡る問題の対立など、新たな安全の課題に対応してきたためだ」とした上で、「日本政府と沖縄県の対立が、米軍普天間飛行場の移設計画を遅らせる可能性がある」と懸念を示した。
東亜日報、文化日報、聯合ニュースなどの韓国の主流メディアは5日、この報告書を一斉に報じ、「米議会が暗に安倍首相を攻撃した」という類似する観点を示した。東亜日報は、「CRSの報告書は、米国は安倍内閣の歴史問題に関する言行は国益を重視したものだが、これは地域内の緊張の源であると判断したとしている。これは最も注目すべき点だ」と伝えた。
韓国の週刊誌『週刊朝鮮』は、「安倍首相は就任後、経済回復に取り組み国民の心をつかみ、米国の支持を勝ち取ろうとした。米国は日本を利用し、台頭する中国をけん制しようとした。両者はたちまち意気投合した。両国は自国の需要により手をつなぎ、表面的には非常に仲良く見える。しかし日本人は米国の広島・長崎への原爆投下を忘れておらず、米国も日本への警戒心を解いていない。日本は米国の影響力を利用し、『正常な国』になろうとしている。日本はこの『宿願』を叶えた後、束縛を振り切り、手綱を解かれた荒馬になる。米国を利用し米国の束縛を振り切るという日本の計算を、米国はよく理解している」と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月6日