日本生まれの米国芸術家、オノ・ヨーコ(小野洋子)の作品を展示する“Golden Ladders(金のはしご)--オノ・ヨーコ個展」が15日、北京の林冠芸術基金会で開幕した。北京での個展は初めて。展示作品は『Golden Ladders』、『We're All Water(私たちはみんな水)』、『Ex It(出口)』、『a Wish Tree(願いの木)』など9点で、期間は2016年7月3日まで。オノ・ヨーコは作品を通して、「平和」、「命」、「愛」のメッセージを発信しようとしている。作品の中から、亡き夫ジョン・レノンの影も見え隠れする。
■高い空の自由と恐怖
今回の個展で、初期の「前衛派」作品やコンセプチュアル・アートを含め、オノ・ヨーコの各時期の作品が展示されている。わずか9点だが、巨大作品も少なくない。『Golden Ladders』、『To See The Sky(空を見る)』、『Ex It』はいずれも展示室を1つ使っている。オノ・ヨーコは作品で、自身が生涯かけて追い求める「平和」、「命」、「愛」を解釈している。
『To See The Sky』は観客に強いインパクトを与える。青色の螺旋階段を上り、頂上に上がると、階段の揺れに突如気付く。不安のあまり、集中して窓の外に広がる空を望むことは難しい。展示会の初日に、中国の有名芸術家、喩紅氏もそれを体験。「螺旋階段の頂上に立つと、階段の揺れに恐怖を感じ、足も動けなくなった」と話す。「高い空で得られる自由を目前に、心の奥から恐怖も襲ってくる」ことを、オノ・ヨーコが伝えている。