アジア太平洋経済協力(APEC)の第23回非公式首脳会議が18日と19日、フィリピンの首都マニラで開催された。各国首脳は主に、地域経済の一体化や中小企業、人的資源開発、持続可能成長などアジア太平洋の経済貿易協力にかかわる議題について討論する。このうちアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の建設推進という議題は重点中の重点となる。(文:王海燕・華東師範大学国際関係・地区発展研究院副研究員)
多重的な協力メカニズムが土台に
アジア太平洋地域自由貿易協定の交渉は現在、急速な変転を見せており、各種の一体化プロセスは勢いよく発展し、二国間・多国間の多くの自由貿易圏が運営または交渉の最中にある。アジア太平洋地域は、これらの自由貿易圏または自貿協定を整理・統合し、これを土台として交渉を進め、アジア太平洋地域全体をカバーする自由貿易圏を形成する必要がある。
未来のアジア太平洋自由貿易圏は、一体化されたインフラのさらなる建設を通じて、発展途上国に貿易のための便利な往来を実現するものとなる。同地域の発展途上国にとっての最良の選択となることは間違いない。アジア太平洋自由貿易圏は成立後、世界の自由貿易協定の模範となる可能性が高い。
太平洋経済協力会議が発表した年次報告書「太平洋地域の現況2014-2015」は、地域の包括的経済連携の世界経済に対する貢献は2025年までに6440億ドルに達するとの見込みを示した。TPPが世界経済に新たに加える額は2230億ドルとされる。だが増益効果が最も大きいのはアジア太平洋自由貿易圏であり、もしも協定が合意にこぎつければ、世界経済にもたらす貢献額は2兆4千億ドルに達することになる。規模と比率から言って、アジア太平洋自由貿易圏は、世界最大の自由貿易圏となる。世界の貿易の発展に対して画期的な意義を持つものとなる。