常に腰の低いモンゴルが、このほど国際ニュースのトップ記事で取り扱われている。モンゴルは9月、「永久中立国」の構想を発表し、国連総会で宣言した。日本の安倍晋三首相が10月、モンゴルを訪問した。エルベグドルジ大統領が11月9日、中国を訪問した。この一連の動きを受け、多くの中国人はこの「最も親しい他人」である北の隣国に目を向けている。
中国とモンゴルには、歴史と民族の深いつながりがある。中国はモンゴルにとってわずか2つの隣国の1つで、その国家安全と経済に対して極めて大きな影響力を持つ。中国は長年に渡り、モンゴルにとって最大の貿易相手国、投資の出処だ。中国の「シルクロード」は、モンゴルの「草原の道」プロジェクトと連結する見通しで、中露蒙の経済回廊に期待が集まっている。そのため人々は自ずと、蒙古が「親中」であることを願っている。
しかし実際には思ったよりも複雑そうだ。冷戦後のモンゴルは中国とロシアの間でバランスを維持し、「第3の隣国」戦略を力強く推進し、西側の力を借り中露の大きな影響力のバランス化を図ってきた。米国と日本はモンゴル争奪に意欲的だ。米国は「自由と民主」のカードを切り、モンゴルを「民主国」の陣営に招き入れようとし、「アジアの民主のモデル」と賞賛している。日本は「環境保護と国民生活」のカードを切り、1990年代よりモンゴルに最大規模の援助を行う国、「モンゴルで最も歓迎される国」になっている。ロシアも座視していない。ロシアはモンゴルのほぼすべてのエネルギー・食糧・鉄道輸入を制御しており、モンゴルの政治・外交を支配している。