モンゴルは西側との軍事協力に積極的で、米軍と絶えず合同演習を実施している。モンゴルはまたアジアで唯一の、イラク戦争に自ら参加を求めた国であり、一部のモンゴル人は欧米や日韓を軍事同盟国と考えている。西側のモンゴルに対する思想・文化の伝播について、触れないわけにはいかない。モンゴルの現在の若者のうち、欧米に留学する人の比率が驚くほど高い。ウランバートル大学は韓国全額出資で、一部の韓国人はモンゴル人と同じ先祖を持つと主張している。
モンゴルはその独得な地政学的情勢と歴史的原因により、周辺の大国のいずれかに肩入れする国にはなれず、大国間の「バランサー」としての傾向を持つ。当然ながら中露という2人の巨人の間に挟まれた、人口がわずか300万人の内陸国にとって、多元的な外交戦略を講じるのは自国の安全を維持するための合理的な選択だ。中露はこれに理解を示している。
モンゴルが「永久中立」を求めることは、中国にもメリットをもたらす。これはまず、中露の必要なき対立と衝突を回避でき、友好関係を深める両国にとって紛れもなく朗報だ。また中立を求めるモンゴルは、NATOや米国との軍事交流の程度を調整することになる。地域の内外の大国がモンゴルを利用し政治的駆け引きを展開する可能性が下がり、中露間に「くさび」を打ち込もうとする米国と日本の狙いも実現困難だ。モンゴル政府は外からどれほど大きな誘惑を受けようと、中露と対抗できないことを理解している。そこでモンゴルは現実的な選択をした。(筆者:袁野 中国人民大学政治学博士課程在学中)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月22日