日本の中谷元防衛相は先ほどハワイを訪問した際に、自衛隊に米国の終末高高度防衛(THAAD)ミサイルを導入する考えを示した。防衛省によると、防衛相がTHAADの導入を明言したのはこれが初めてだ。日本はなぜTHAADを配備しようとしているのだろうか、どのような深い戦略的目論見があるのだろうか?記者は軍事専門家の李莉氏を取材した。李氏の発言内容は下記の通り。
THAAD配備、中露に矛先を向ける
日本は常に米国の北東アジアにおけるミサイル防衛網の重要拠点だ。米国は日本にTHAADを配備し、中国とロシアが発射する中・長距離ミサイルを効果的に迎撃しようとしている。
日本は常に米国のミサイル防衛システムのアジア太平洋における最も忠実な協力者だ。日本は米国に次ぐ整ったミサイル防衛システムを持つ。今回THAADを日本に配備すれば、地上で二段構えの防衛網を持つことになる。1段目は大気圏内の低層で、2段目は大気圏外、つまり150キロの高層で、二段構えの綿密なミサイル防衛網を形成する。
米国の意図ははっきりしている。THAADの最も根本的な特徴は、中・長距離ミサイルの効果的な迎撃だ。朝鮮は国産ミサイルの射程距離を発表しているが、実際の試験状況を見ると、中心となっているのは短距離ミサイルが中心だ。ゆえに米国と日本は朝鮮を口実としているが、実際には中国やロシアを念頭に置いている。