複数の大学や研究者は、「研究費の不足を補うためだった」と説明した。資金は研究に使う薬品の購入などに充て、米軍には「簡単な報告書を書いて送っただけ」としているが、報告書が米軍でどう利用されたかなど詳細は分からないという。
しかし経費を提供した米軍には、科学技術の研究に関する情報収集の目的があったと分析されている。
米軍から提供を受けた学者は、「大学からの経費だけでは不十分だ。常に外部から資金を集めようと考えている。当時は日本の知人から紹介された」と話す。
研究終了後には、成果と会計報告を米軍にEメールで提出するが、その後米軍から連絡が来ることはなかった。この学者は、「機密漏洩はなく、批判されるべきことではない」と述べた。
ある工学者は米軍の経費提供の意図について、「最新の研究の関連情報を収集し、(米軍と協力したい)学者とのコネを作るため」と推測した。
この学者は、航空機の機体に用いる炭素繊維複合材の研究で提供を受けた。米軍は論文の公開という条件しかつけなかった。「日本人でも研究費を獲得できるとは、驚きだった」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月7日