フランスの有名画家Christian Poirot氏は10日午後、南京大虐殺をテーマとして描いた油絵『暴行』を、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館に寄贈した。同氏は寄贈式で、「この絵を通じて、歴史を銘記し、平和を愛するよう世界に訴えたかった」と述べた。
油絵は縦2.35メートル、幅7.46メートル。一枚の壁ほどのサイズの、重苦しい色彩をした油絵の中で、凶暴で残酷な日本の侵略者が軍刀で中国の一般人の首をはねている。子供を抱いた中国の女性が刀で殺され、孤児が家族の死体のそばで力なく泣いている。遠方では、黒雲が南京城を覆っている。
同氏は、「これは30年の画家としての生涯で創作した、最大の油絵だ。私は絵によって世界のより多くの人に、日本が中国で侵した暴行を知らせようとした」と話した。
同氏は2年前、多くの欧州人と同じく南京大虐殺と、日本のアジアにおける侵略の罪をまったく知らなかったという。ある日南京を訪れた際に、友人からこの都市で70年前に起きた惨劇を知った。数十万人の中国の一般人が日本の軍人に虐殺されたことにショックを受け、油絵を描こうと思い立った。
同氏は2015年1月に創作に着手し、南京大虐殺の多くの史料と写真を閲覧した。6ヶ月の創作期間、南京の人々が当時味わった屈辱と苦難、日本軍の非人道的な暴行の光景が頭の中を絶えずよぎり、精神的に苦しめられたという。この油絵の誕生により、画家本人も解脱された。「私はこの絵を通じて、歴史を銘記し、平和を愛するよう世界に訴えたかった」
私心なき寄贈に感謝を示すため、同館の張建軍館長は寄贈式で同氏に感謝状を贈呈した。南京市の指導者は、栄誉市民証書を贈呈した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月11日