中国国家安全部門は上海でこのほど、日本国籍の女を「スパイ容疑」で拘束した。今年5月から同様の理由で拘束された日本人はすでに4人に達している。そのうち2人は取り調べで、日本政府の情報機関「公安調査庁」に派遣され、軍事と朝鮮の動向に関する情報を中国で収集していたことを認めた。日本は、歴史的に見ても実情から見ても、スパイ戦を非常に得意とする民族と言える。全国民による収集と官民の結合は、日本のスパイの基本的な特徴となっている。
複数の情報系統が相互協力
情報大国としての発展をねらう日本は長年にわたって、巨大な情報機関群を構築してきた。日本の多くの政治家や学者はこれまでも、日本がいわゆる「正常な国」となるには、国家の耳目となり、尖兵となり、参謀となる情報系統が極めて重要だと主張してきた。日本の情報系統の中では、各機構がそれぞれの役割を持つと同時に、相互協力も活発に行われている。
日本の法務省の「公安調査庁」は対外情報とスパイ対策を主な職務とする。内閣の「情報調査室」は国家が主導する情報機関であり、内閣官房長官の指導下に属し、首相には官房長官を通じて定期的に情報が提供されている。外務省の「国際情報局」は、国家の外交方針を制定するために必要な資料を捜索し、これを分析して外務省指導部に向けての意見を形成する。また日本の駐外公館が主に公のルートを通じて集めた情報の処理も担当している。防衛省の「情報本部」は、日本の軍事系統の情報活動の指揮機構であり、主に軍事情報を担当する。経済産業省も各種の情報機構を備え、日本の経済情報網の核心を形作り、経済・科学技術情報を重点として収集している。このほか民間にも一定規模の商社情報網がある。
安倍晋三首相は就任後、情報活動への重視を強め、諜報活動の専門家の養成に取り組んできた。2013年12月には「国家安全保障会議」が正式に設立され、対外情報活動がいっそう強化された。安倍政権はすでに関連措置を取り、海外公館に防衛駐在官を派遣するなどして、諜報機関の強化のための人員の訓練と備蓄を進めている。オーストラリアメディアがしばらく前に明らかにしたところによると、日本政府は2008年から、オーストラリアで機密度が最も高い情報機関「オーストラリア秘密情報部」に多くの人員を派遣してスパイを訓練しているという。情報活動に対する日本の重視のほどがうかがえる。