アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作「ザ・コーヴ」の主演俳優、米国動物保護団体のメンバーであるリック・オバリー氏(76)はこのほど、日本の空港で入国を拒否され、入国管理部門に拘束された。
オバリー氏の弁護士によると、オバリー氏は日本のイルカ捕殺状況の調査と京都観光を目的に、観光ビザで18日に成田空港に到着した。帰国は来月上旬を予定していた。ところがオバリー氏は空港内で日本から入国を拒否され、拘束された。
オバリー氏はその間、日本の入国管理者から何度も取り調べを受けた。
オバリー氏は有名なイルカ保護者・調教師だ。
オバリー氏が撮影した、太地町のイルカ捕殺の血なまぐさいシーンを内容とする米国のドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が、2009年に公開された。無数のイルカが惨殺され、湾を血で染めた光景は世界の注目を集めた。本作品は2010年に、第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。
しかし作品は現地の漁師から抗議された。漁師らは、イルカ捕殺は「伝統文化」の一部だとしている。
日本の警察当局は近年、捕殺シーズンになると太地町に警察官を派遣し、現地の漁師とシー・シェパードのメンバーの衝突を防いでいる。
オバリー氏とイルカ漁反対者は、これまでも日本では歓迎されない客だった。