日本の企業界のある人物は、日本製品が絶え間なく向上しているのは、市場の競争の激しさによるものだと指摘している。競争環境においては、品質によって勝ち抜いていくほかなく、さらに素晴らしい製品を作らざるを得ない。これにもまた、技術の熟達したブルーカラーの労働者の育成が必要となる。
日本では、肉体労働と頭脳労働の収入の差はそれほど大きくない。ブルーカラーの仕事も立派な仕事であり、ブルーカラー労働者の賃金水準は全世界でも高い水準にある。高級技術労働者の月給は、一家全員の支出を支えるに足りる。このような堅固な物質的土台を盾として、技術労働者は全身全霊で仕事に打ち込み、新たな技術と製品を絶えず開発している。
政府の主導する研究開発は、日本の技術革新のわずか20%を占めるに過ぎない。残りの80%の技術革新は事実上、企業によって行われている。民間企業は日本の科学技術の発展の主力である。そして「匠の精神」は、日本の科学技術の発展の源泉となっている。日本人は絶えず向上を意識し、完璧を追求する。一流の技術を持ったブルーカラーの労働者は、日本の製造業が強い重要な原因の一つである。
早稲田大学の鵜飼信一教授によると、日本の90%以上の企業は中小企業で、多くの従業員は、社員10人に満たない零細企業で働いている。だが日本の製造業の技術力はまさにこうした中小企業によって支えられている。彼らは、日本の製造業の最大の強みであり、日本経済の原動力と言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月23日