日本の外交誌「外交学者」は12日、「中国の医療外交」をタイトルとする記事を掲載した。それによると、上海の医師、看護師などで構成される医療チームが近く、災害時の救援を行うWHO(世界保健機関)国際緊急援助隊医療チームに加わる見通しだ。中国の医療チームとしては初めて。現在は政府の承認を待つ段階という。
これは大きな前進と言える。ただ、海外での医療援助において中国は“新人”というわけでもない。中国で「裸足の医者」(農業をする傍ら医療衛生の仕事に携わる農民など)が診療にあたる時代はとっくに過ぎ去った。香港大学、北京大学、復旦大学の医学部は世界一流の水準を誇る。また、中国が初めて海外へ医療援助を提供したのは1963年に遡る。独立戦争直後のアルジェリアに医療チームを派遣した。あの時から、中国はアフリカへの医療援助を続けてきた。昨年に派遣した医療関係者は1500人に上る。
災害現場でも中国は活躍している。2005年のパキスタン地震の際に49人、10年のハイチ地震のときは60人の救援隊を派遣。11年の東日本大震災が発生した後の48時間以内に中国の救援隊が現場に到着した。