物議をかもした日本の安保法が、3月29日に正式に発効した。安倍首相による、日本に軍事強国の道を歩ませる「青写真」は、着実に実行に移されている。しかしローマは一日にして成らずで、日本は政策・法律面で準備万端だが、兵力源という原動力のみが欠けている。
自衛隊は近年、人材・後継者不足に悩まされている。防衛省の関係者によると、2015年度の自衛官応募者はわずか約2万5000人のみとなった。2014年度より2割減し、2年連続の減少となり、かつ2007年度に今の採用方式を始めてから最も少ない数だった。2011年の東日本大震災で、自衛隊が災害救助に参加したことを受け、約5万1000人が自衛官を志したが、今や応募者はその半数未満となっている。
軍人になりたがらない日本の若者が増えている。これには政治的要因の他に、社会や国民心理などのさまざまな原因がある。
まず、安倍首相の安保法の不人気だ。日本の安保法が正式に発効した同日、35都市で抗議集会が開かれた。複数の野党は参議院で廃案を求めた。また読売新聞の最新の世論調査によると、安保法案を支持するは38%、反対するは47%で、9ポイントの差がついた。日本経済新聞の調査によると、回答者の約35%が廃案にすべきとした。
次に、安保法は日本の海外派兵が増え、これに伴いリスクが拡大することを意味する。米軍はイラクとアフガニスタンで多くの兵士を負傷・死亡させたが、これがいい例だ。日本の若者は自衛隊に入っても、せいぜい森の中でサバイバルゲームをするか、大海を航海するだけだった。しかし今や、海外で実際に戦うという危険な任務に派遣され、帰らぬ人となる可能性がある。この懸念から、日本の保護者は同意しておらず、若者からも敬遠されている。報道によると、自衛隊の幹部を養成する防衛大学でも近年、戦争を嫌う雰囲気になっているという。多くの卒業生は任官を拒否し、民間企業に就職しようとしている。
さらに、多くの社会問題も、日本の軍拡の夢を妨げている。日本では人口減少と出生率の低迷が深刻化している。厚生労働省の統計データによると、2040年以降は、人口が毎年100万人減少する可能性がある。また出生率の低下が続き、現在は1.4ほどとなっており、増加・減少傾向の分水嶺となる2.1を大幅に下回っている。兵力源の減少が、必然的な流れとなる。また日本企業と自衛隊が、働き手を奪い合うという重要な原因もある。予算減により、自衛隊は高給やその他の条件により、若者を集めることができずにいる。その魅力も求心力も民間企業に及ばず、働き手の外部流出が生じている。
日本政府は民意に反し、自衛隊を海外に進出させ、若者を弾除けにしようとしている。日本人は従軍への消極的な態度により、反対の声をあげている。これは間違いなく、安倍首相に冷水を浴びせている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月3日