米国務省は11日、オバマ大統領の今月21−28日のアジア歴訪には、ベトナムと日本の訪問が含まれると発表した。この外交スケジュールは、米国の「アジア太平洋リバランス戦略」を実施するという約束を強調し、米国と地域諸国の外交・経済・安全面の連携を促進することを目的としている。
オバマ大統領の広島訪問計画は、国内で強い反発を生んでいない。ホワイトハウスが事前に、これが謝罪を意味するものではなく、当時の行いを見直すことはないと表明していたからだ。これはまた、米国内の米日同盟に対する評価を反映している。米ダートマス大学米日関係専門家のジェニファー・リンド氏はフィナンシャル・タイムズに対して、「共和党の指導者は、オバマ大統領が海外で米国の代わりに何度も政策的な謝罪をしていると批判しているが、彼らは中国が武力を誇示する地域で米国の同盟国の後押しをすることを支持している。保守派はまた、米日の堅固な同盟関係を支持している。安倍晋三首相は、彼らにとって得難きパートナーだ」と分析した。
唯一の被爆国である日本は国際的な会議において、世界の首脳による広島と長崎の訪問を何度も呼びかけ、「被害者」としての悲しみを演出している。広島平和記念資料館内に展示されている資料はすべて、日本の被爆状況に関するものであり、被害者の所有品、写真、日記などが多くある。特に被爆者の変形した死体、原爆症患者の痛みで歪んだ顔などの写真は、身の毛もよだつほどだ。しかし広島の被爆の歴史的原因は、日本の対外侵略戦争と明らかに関連している。
中国外交部の陸慷報道官は11日の記者会見で、オバマ大統領が広島を訪問することについて、「日本の罪なき一般人の核攻撃による痛みは、同情に値する。第二次大戦は世界の人々に、歴史を鏡とし、戦争の悲劇の再演を防ぎ、戦後構築された国際秩序をしっかり守るべきという、重要な教訓をもたらした。日本が他国の政治家を広島に招待する際に、絶対に二度と軍国主義の道を歩まないという、一つの目的に基づくことを願う。この道はかつて日本人およびアジア・世界の人々に深刻な災いをもたらした」とコメントした。
安倍首相はいつ南京を訪問するのか?――北京大学国際関係学院の帰泳涛准教授は11日、日本経済新聞(電子版)で、この疑問を投げかけた。「中国には日本が第二次世界大戦による被害者の立場を強調しようとしているとの懸念がある。オバマ大統領の広島訪問を政治的に利用するなら、加害者の立場を認めていないとの印象を与えてしまう。そのやり方は効果がないし、逆に誤解されるかもしれない。日本の首相も大虐殺が起きた南京を訪問すべきだという意見がある。実現すれば歴史認識の問題を解決する上で大きな一歩になる。国家の責任や謝罪の話だけではなくて、南京の人の思いを理解することが重要だ。ただ、日本の政界で保守的な考えが強まっている現状では、早期の実現は難しいだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月12日