ホワイトハウスは、オバマ大統領が今月下旬に日本で開かれるG7サミットの会期中、広島を訪問すると発表した。日本人はその実現を、数十年に渡り期待してきた。広島と長崎は第二次大戦終戦前に原爆を投下された。日本社会は本件を描写する際に、自国を戦争の被害者としている。日本は第二次大戦中の侵略者・加害者であるという世界の常識との間に、認識的・感情的な隔たりがある。
米国の外交官は以前、基本的に広島を訪問せず、日本の原爆投下祈念活動にも出席していなかった。この状況は2010年以降に徐々に変化した。ケリー国務長官は今年、初めて広島を訪問した現職の米国務長官となった。オバマ大統領は初めて広島を訪問する、現職の米大統領となる。
オバマ大統領は「核なき世界」を主張しており、広島訪問は敏感な問題だ。米国内では直ちに反対の声が上がったが、オバマ大統領はこの敏感性を利用しようとしているようだ。「核なき世界」の呼びかけに応じる国は少なく、オバマ大統領の提唱で始まった核安全保障サミットはなんとか開催を維持してきたが、「羊頭狗肉」になった。核廃絶という世界的な議題が、原発安全の議論に変わったのだ。オバマ大統領の任期満了により、核安全保障サミットは幕を下ろそうとしている。オバマ大統領が広島を訪問することで、その「核なき世界」という美しい理念を蒸し返すことができる。
日本は思わず、想像をたくましくしている。日本の高官は恥ずかしくて口にできないが、日本メディアはまことしやかに「オバマ大統領が、米国が原爆を投下したことについて、日本に謝罪することはあるだろうか?」と疑問を呈している。この詰問が米国に伝わると、米メディアの報道により、米国民が怒りを露わにした。ホワイトハウスは、「その可能性はない」と否定せざるを得なくなった。