主要7カ国(G7)サミットに出席するため訪日したオバマ米大統領は27日、安倍晋三首相に付き添われ広島を訪問する。戦後、米国の大統領が広島を訪問するのはこれが初めてだ。ホワイトハウスは、オバマ大統領は世界の非核化の推進を目的としており、正式に謝罪することはないと何度も強調している。しかし日本の狂喜、隣国の不安、多くの米国人の不満は、オバマ大統領の広島訪問が時宜に叶っていないことを説明している。今回の訪問は、戦後アジア太平洋関係の基盤を揺るがしたと言える。
歴史に「もし」はないが、米国が広島と長崎に2発の原爆を投下していなかったならば、日本があれほど早く降伏しなかったことは間違いない。アジアの隣国と米国の太平洋の戦場は、侵略の苦しみと戦争の災いの中に沈み続けただろう。世界反ファシズム戦争の意義から論じれば、広島と長崎への原爆は、正義の爆撃だ。日本の原爆の被害者は、天皇と日本軍国主義に責任を問うべきだ。この2発の原爆は米国にとって、アジア太平洋および世界の強国という地位を固めた。
広島と長崎の原爆については、すでに評価が定まっている。しかし現実的な国際関係を前にすると、歴史は時に打算的な観点により曖昧化され、色を失う。戦後日本の歴代政権は、日本の原爆の被害者としてのイメージを強化し続け、最も目立った特徴となっている。さらに原爆の被害を象徴する、広島平和記念公園が設立された。日本は毎年盛大な祈念式典を開き、すべての機会を利用して世界の高官・有名人に訪問を要請している。日本側もメディアや文化的手段により、日本の被害者としてのイメージを固め、日本を同情する世界の共通認識を形成しようとしている。
戦後レジームの変化と非核化が、世界の共通認識になっている。特に米日同盟関係の深化により、米国人までもが積極的もしくは受動的に、日本に心を動かされている。ピュー・リサーチ・センターは2015年、長年に渡る米日両国の原爆に関する意識調査を整理した。データによると、原爆投下から間もない1945年、米国人の85%が原爆に賛成していた。この数値は2015年になると、56%に低下した。しかも18−29歳の米国人のうち、原爆投下は正義だと考えている人は47%で、65歳以上は70%となった。