オバマ氏の広島訪問、米日の芝居の「舞台」に

オバマ氏の広島訪問、米日の芝居の「舞台」に。

タグ: オバマ,広島

発信時間: 2016-05-30 10:01:41 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

論争が広がるなか、オバマ米大統領は27日に日本の広島を訪問した。この念入りにセッティングされた「芝居」は、「堂々たる」米国と「曖昧模糊たる」日本の霧に包まれつつも、オバマ大統領と日本の安倍晋三首相の政治的な計算を反映した。

オバマ大統領は広島で行った演説の中で、「核なき世界」を実現すると表明した。

しかしこれは体裁の良いスローガンに過ぎない。オバマ大統領は広島の演説で、世界の核軍縮を大声で呼びかけた。ところが自分の任期内に、今後30年に渡り1兆ドルを投じ、米国の核兵器庫の大規模な更新を行い、長距離爆撃機・原子力潜水艦・巡航ミサイルを新たに製造する計画を立てた。米国メディアはオバマ大統領の言行不一致について、これは「逆説的」「恥辱」と直言している。

今年4月に開かれたG7外相会議で採択された「広島宣言」は、G7以外の核保有国に核兵器の透明度を高めるよう求めたが、G7メンバーの核保有国である米英仏の核廃絶の義務と日程表については言及を避けた。朝日新聞は、「広島宣言」における日本の「核廃絶」問題をめぐる主張は、実際には一種の後退だと論じた。

侵略戦争を発動した日本を早期投降させるため、米軍は1945年8月6日に広島に原爆を投下した。日本はこれを利用し、長期間に渡り自国を第二次大戦の「被害者」と描写してきたが、日本が原爆を投下された歴史的背景についてはほとんど触れてこなかった。

日本にとって、「核なき世界の推進」は、オバマ大統領の広島での「芝居」を解釈する、最も合理的な理由だ。NYタイムズは、オバマ大統領は「自らの虚栄心を国の誇りよりも優先した。このような訪問は、第二次大戦中の日本による真珠湾奇襲を、米国の広島への原爆投下と同じ道義的天秤にかけるようなものだ。つまり双方ともに間違っており、過去を忘れるべきということになる」と論じた。

オバマ大統領の意向と行動から、人々は「核なき世界」を推進する誠意を見て取らず、むしろその腹づもりを見て取っている。オバマ大統領はまもなく任期満了する。「アジア太平洋リバランス」はオバマ大統領の重要なレガシーだ。米国はアジア太平洋でより大きな影響力を発揮するため、「同盟国」という後ろ盾が必要だ。米日両国関係における歴史という楔を取り除き、日本に米国との協力を拡大させることで、米日同盟の枠組み内でより大きな力を発揮させる。退任前にアジア太平洋リバランス戦略の配備を進めることが、オバマ大統領による今回の訪問の最大の目的だ。

日本はこの「曖昧」な手段により、第二次大戦中の加害者としての身分を分かりにくくすることができる。これは「右寄り」を続ける安倍首相が願っていることだ。安保関連法案の発表から教科書改訂に至るまで、安倍首相は「正常な国」としての身分を手にし、自らの「野心」の障害物を取り除こうとしている。NYタイムズは、「多くの人は、安倍首相が率いる野心あふれる保守派の運動が、日本の反戦ムードをかつてないほど脅かしていることを懸念している」と指摘した。

日本は今夏、参院選を迎える。オバマ大統領の今回の訪問は、安倍政権のイメージアップを促し、与党が参院選で勝利を収める公算を高める可能性がある。これにより安倍首相が力強く推進する安保法の基盤が固められる。

「親密な交流」と「美しいスローガン」の裏で、米国と日本はあからさまな利益の交換をしている。広島は、需要を満たそうとする米日の芝居の「舞台」に過ぎない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月30日

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