黒竜江教育出版社は31日、日本の侵略戦争が中日両国民にもたらした災いを反映した『忘れがたき家族――日本国籍の中国人民解放軍戦士による真実の記録』が、このほど出版されたと発表した。本書は日本国籍の元人民解放軍兵士、山辺悠喜子さんの口述と調査研究による真実の情報を元に、戦争が人々にもたらした被害を再現している。また反戦、平和への思い、子々孫々の友好への願いを示している。
資料によると、中国人民解放戦争において、技術と学のある日本国籍の若者や関係者が、中国共産党に入党するか中国国籍を取得し、中国の革命事業のため奮戦した。
本書の著者である山辺さんは1929年に東京で生まれ、12歳の年に家族と共に中国に渡った。16歳で中国人民解放軍に入り、部隊と共に転戦しつつ南下した。24歳の年に日本に帰国したが、蔑視された。退職後は中日両国を頻繁に行き来し、旧日本軍の中国侵略の罪に関する証拠を集めている。
本書の内容は山辺さんの経験に基づいており、16歳で人民解放軍に入り、幸福で貴重な成長の時を送ったことが記されている。著者が所属していた衛生隊には、日本国籍の西洋医師、中国国籍の中国医師がいた。人々は医学の種類や国籍を問わず、睦まじく交わり、互いに配慮し、生と死を共にする戦場の友情を育んだ。山辺さんは現地人の東北民主聯軍(後の中国人民解放軍第四野戦軍)に対する信頼と心からの支持を実感し、「軍民は家族」という言葉の意味を噛み締めた。また「皇軍」と称する日本軍と民主聯軍の差を実感した。
全16万字の本書のテーマは「平和の願い、子々孫々の友好、未来を切り開く」。著者と部隊が撮影した人物と風景は、戦争が人々にもたらした苦しみ、遺棄された大量の毒ガス弾の人々・家族に対する深刻な被害を再現している。
山辺さんは、「1953年に帰国後、苦しいことがあるたびに、中国の戦友の言葉を思い出し、中国の貴重な経験で自らを励ました。私の積極的な活動により、日本政府に心から過去を反省させ、中日関係の発展を促進したい。また両国が互いに理解できる家族になり、友好の伝統を子々孫々に渡り発揚させていくことを願う」と話した。
87歳の山辺さんは、自分の経験についてどう考えていると問われると、「私は中国の革命に参加できたこと、中国に青春を捧げたことを誇りに思っている」と心の声を発した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月1日