いわゆる「脱ゆとり教育」は数年前から始まっている。「ゆとり教育」が日本で展開されてから、授業時間が大幅に減少したため、学生の学習能力の減少が問題になった。
国際学習能力調査によると、ゆとり教育期間中、日本人学生の数学的思考力と読解力のランキングが大幅に低下した。
多くの日本人は、「ゆとり教育」が学習能力低下の原因と考えている。学習能力の低下は、日本の世界的な競争力に影響を及ぼす。そのため日本政府は2008−10年に「脱ゆとり教育」を開始し、学校の学習時間を増やした。日本人学生の国際学習能力調査における順位も、ある程度回復した。
しかし異なる意見を持つ人は、大げさに驚く必要はないとしている。日本人学生の学習能力ランキングの低下は、調査参加国・地域が大幅に増加したからだ。この順位の変動を誇張する必要はなく、日本は自国の教育方針に自信を持つべきだというのだ。
「ゆとり教育」による学習能力の低下が社会から批判されているため、文部科学省は「ゆとり教育」否定に転じている。これにより国民に、「ゆとり教育」の失敗を印象付けている。
文部科学省は国民に対して、「ゆとり教育」の本来の目的を正確かつ十分に説明していない。最初から説明を徹底していれば、学習能力低下に対する批判が生まれることはなかっただろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月16日