共同通信は19日、中国軍艦が釣魚島付近の接続水域を航行したことについて、日本が海上警備行動の発令を示唆したと報じた。これは日本政府が電話による閣議を開き、武力行使の命令を迅速に下すことが可能になることを意味する。日刊ゲンダイは、中国軍艦の合理的・合法的な航行に関する誇張を続ける日本について、安倍政権が本件を利用し「中国脅威論」を煽り、改憲の口実にしようとしていると鋭く指摘した。
共同通信によると、斎木昭隆外務事務次官は9日午前2時ごろ、中国軍艦が釣魚島付近の接続水域を航行したことについて、中国の程永華駐日大使を呼び出した。その際に、「領海」に進入した場合は「必要な行動を取る」と伝達していたことが分かった。海上警備行動の発令に基づく海上自衛隊出動を示唆したとみられる。
海上警備行動は、海上保安庁では困難な事案に対処するため、防衛相が発令する。限定的ながら自衛隊法に基づき武器を使用できる。昨年9月に可決された安全保障関連法によると、日本政府は電話による閣議で、海上警備行動を直ちに発令できる。つまり中国軍艦が日本の領海に進入したことが確認されれば、直ちに命令できることを意味する。
日刊ゲンダイは18日、「軍艦出没で大騒ぎ 安倍自民が煽る『中国脅威論』のペテン」と題した記事の中で、「安倍自民はやはりというか、自衛隊の強化を言い出した。永田町界隈では『軍艦の侵入に内心ほくそ笑んでいるんじゃないか』なんてもっぱらだ」と報じた。
参院選の準備に全力を注ぐ安倍政権は、政権発足以来の成果の宣伝に力を入れているが、多くの日本メディアは同意していない。時事通信は18日、「3年半にわたる安倍政権の外交を貫くテーマは、膨張する中国といかに向き合うかだ。安倍首相は米国との同盟関係を軸に中国包囲網を構築し、封じ込めを試みた。だが、首相の狙い通りに事態が推移しているとは言い難い」と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月20日