共同通信は日本防衛省の情報として、中国海軍の情報収集艦1隻が19日午後5時頃から20日午後2時にかけて、釣魚島付近の海域を東西に複数回、往復して航行していたと報じた。しかしこの海軍艦が、日本の領海および接続水域に入らなかったことを認めた。中国社会科学院海疆問題専門家の王暁鵬氏は、中国中央テレビの番組「今日亜洲」のインタビューに応じた際に、日本は「中国海洋脅威論」を捏造・誇張することで、釣魚島周辺の軍事力配備の強化の口実を手にし、かつ日本による南中国海問題への介入に適当な理由を作ろうとしていると指摘した。
日本防衛省は以前、中国海軍の同艦が15日午前3時頃、鹿児島県の口永良部島から西の「日本の領海」に入り、午前5時頃に離れたと発表していた。
日本側が言い張る「領海侵犯」について、中国外交部と中国国防部は、中国艦が航行したトカラ海峡は国際航行に使われる国際海峡であり、中国艦による行為は国連海洋法条約に合致すると応じた。しかし日本側は同問題に食いついて放そうとせず、中国軍艦は他国の領海を通過する無害通航権に違反した可能性があると繰り返した。それでは国際航行に使われる海峡とはどのようにして決められるのか、日本はなぜこの概念と無害通航権を同一視するのか?
王氏は、「国連海洋法条約には、国際航行に使われる海峡に関する内容がある。いかなる船舶も、このような海峡で通過通航権を持つが、トカラ海峡は明らかに国際航行に用いられる海峡だ。日本が主張している、いわゆる領海の無害通航権と通過通航権はまったく異なる概念だ。前者は主権の帰属を強調し、後者は通航の権力を強調する。日本は意図的にこの概念を同一視し、概念をすり替えることで、中国軍艦による『日本の領海侵犯』というデマをでっちあげ、『中国脅威論』を誇張している」と分析した。
王氏は、「日本は近年、中国のシーパワーの正常な発展を、色眼鏡で見ている。日本はこのような誇張により、中国の関連国際海域内における自由な航行、航行の安全に関する一連の権利を損ねようとしている。また日本は『中国海洋脅威論』を捏造・誇張することで、釣魚島周辺の軍事力配備の強化の口実を手にし、かつ日本による南中国海問題への介入に適当な理由を作ろうとしている」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月24日