広島県呉市は、海底に沈没している第二次大戦中の旧日本海軍の戦艦「大和」の海中映像を公開した。海底に沈んだ大和の残骸が公開されるのは今回が初。共同通信が23日に伝えた。
大和は第二次大戦中、旧日本帝国海軍および世界最大の戦艦で、人類史上最も巨大な戦艦とされている。大和は1940年に進水し、1941年末に正式に就役し、連合艦隊の旗艦になった。大和は当時、「大日本帝国を救う希望」とされていた。しかし「世界一の戦艦」である大和は、敵艦を1隻も撃沈できなかった戦績により、「海の旅館」とやゆされている。大和は1945年4月7日、沖縄の戦いに向け「決死の出撃」を行い、米軍の350機以上の軍機と潜水艦から代わる代わる攻撃を受けた。大和は最終的に攻撃で海底に沈み、艦内の3000人以上が死亡した。
広島県呉市は22日、沈没海域の鹿児島県沖で無人探査機を使って撮影した大和の海中映像を公開した。大和の残骸の潜水調査は、今年5月から約10日間実施された。映像は5月26日に撮影。範囲は東西450メートル、南北400メートルで、沈没していた水深約350メートルで写真約7000枚と約50時間分の映像を撮影した。調査チームは22日、呉市議会に報告を行い、23日より市の大和ミュージアムで一般公開を開始した。
広島県は大和の残骸の水中調査を推進中だ。現地の担当者は調査により、「かつての戦争の悲惨な歴史を掘り起こし、記録することで、人々に平和の尊さを伝えたい」と話した。
同ミュージアムは過去に民間業者が撮影した大和の映像を公開しているが、呉市として初めて詳しい潜水調査をし、映像を公開した。呉市産業部の関係者は「映像を発信することで戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えたい」と話した。
しかし旧日本海軍の「最強の戦艦」を調査し、その歴史を掘り起こすことで、日本国内の右翼と過激な軍事マニアが「興奮」し、活発に発言することが懸念されている。これは平和を偲ぶ主旨に合わない。日本の多くのネットユーザーもコメントしているが、大多数の人は引き揚げに賛成していない。ある人は、「大和が多くの御霊と共に、墓碑のように静かに佇むことを願う」とコメントした。また大和が不戦の誓いの象徴になることを願うとする人もいた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月24日