国際環境保護団体「グリーンピース」が21日に発表した調査結果によると、5年前の福島原発事故により放出された放射性物質セシウムが、福島・宮城両県の河川の周辺土壌で蓄積されており、今後さらに生態系の中で循環と拡散を続けていくことになるという。
グリーンピースは今年2−3月に、福島や宮城などで海底と河川周辺から試料を採取し、放射性物質の濃度を研究した。その結果、福島県南相馬市を流れる新田川周辺から採取された試料の濃度が最も高く、放射性セシウムが1キロ当たり2万9800ベクレル検出された。これは同期に採取された琵琶湖の試料の2000倍ほどに達する。琵琶湖は福島から遠く離れた滋賀県にある。環境保護の専門家は、原発事故によって放出された放射性物質が、河川の循環により周辺土壌に蓄積されたためと分析している。
グリーンピースのシニア・グローバル・ エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチ氏は「高度に汚染された福島の森、河川、湖沼は今後数十年、さらには数百年に渡り好転することはない。放射性物質は雨水に伴い循環を繰り返し、森と河川が放射源であり続ける」と述べ、長期的に環境観測を続ける必要性を強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月25日