日本の大手化粧品メーカー各社が、海外展開を急いでいる。訪日外国人による「爆買い」特需に陰りが見え、国内市場の先行きに不透明感が強まっている。各社は安定した収益を得るための一手を模索している。13日付読売新聞が伝えた。
資生堂は7月、米高級化粧品会社「ガーウィッチ プロダクツ」の買収を完了した。米化粧品「ベアエッセンシャル」以来、6年ぶりの海外買収案件だ。6月末にはイタリアの高級ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」と香水などで独占ライセンス契約を結んだ。
カネボウ化粧品は9月15日に新ブランド「KANEBO」を発売し、アジアを中心に拡大する。コーセーも8月からハワイの免税店で、主力の基礎化粧品「雪肌精(せっきせい)」を発売した。
大手化粧品メーカーが海外展開に力を入れるのは、国内市場の縮小が始まっているからだ。各社はかつてデザイン性の優れた広告、百貨店でのマンツーマンの販売によりブランドのイメージを形成し、市場開拓を続けた。ところがインターネットの普及により、口コミにより薬局で安めの化粧品を購入する人が増えた。
訪日外国人の需要増により、日本国内の化粧品市場は近年、活況を呈した。化粧品の2015年の出荷額は1兆5000億円で、ほぼリーマンショック前の水準に戻った。
しかし多くの業界関係者は、「爆買い」は一過性のブームにすぎないと考えている。訪日外国人の平均支出は今年第2四半期に、前年同期比10%減の15万9930円に落ち込んだ。原因は円安と中国経済の減速だ。「爆買い」の効果は薄れつつある。
化粧品業界に詳しいアナリストは「日本企業は攻めの戦略により、爆買いで得た資金を投資や買収などに使う必要がある」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月18日