フィリピンのドゥテルテ大統領は28-29日に、慌ただしくベトナムを訪問した。ベトナム公式メディアが発表した情報によると、両国首脳は南中国海問題に言及した際に、地域の平和・安全・安定を促進し続けると約束した。また各国は自制し、平和的な手段により係争を解決するべきだと呼びかけた。ベトナム側が提供した情報は、南中国海の仲裁について取り上げなかった。
ドゥテルテ大統領はベトナム訪問中に記者会見を開かなかったが、フィリピンメディアの方が多くの情報を明らかにした。報道によると、ドゥテルテ大統領はベトナムの指導者に対して、中国との二国間対話は必要だと述べた。フィリピンのヤサイ外相はフィリピンメディアに対して「臨時仲裁裁判所の决定には強制的な執行力がないため、二国間の接触が必要だ」と話した。
フィリピンとベトナムは南中国海で中国と最も深刻な係争を抱える国だ。両国は近年歩み寄っているが、これには地政学的な原因がある。しかし両国は今回の訪問で自制的な態度を取り、南中国海の仲裁について話し合わなかった。これは両国が海洋をめぐる係争により、地域がさらに緊張化することを避けようとしているからだ。
南中国海の域内国は自ら沈静化させようとしているようだ。ベトナムのグエン・スアン・フック首相が先ほど訪中した際に、両国は平和的な協議により係争を解決することで合意した。フィリピンメディアは最近、ドゥテルテ大統領が来月にも訪中し、中国がASEAN以外で初の外遊先になると何度も報じている。これが実現されれば、両国関係をさらに改善するだろう。この積極的な動向が重なり、南中国海の雰囲気に大きな変化が生じた。
少数の域外国がなおもムキになっているが、これは現在の目立った問題だ。シンガポールのリー・シェンロン首相が29日に訪日し、東京都で講演を行った。シンガポールメディアが真っ先に公開した全文を見ると、講演の題目は「中日は二国間関係をゼロサムゲームにするな」で、内容も比較的バランスが取れていた。しかし共同通信によると、リー首相は臨時仲裁裁判所の「仲裁結果」について「世界にはルールが必要だ」「中国はこの結果を遵守すべきだ」と述べた。