シンガポールはASEAN諸国だが、南中国海の係争の当事国ではない。シンガポールの外交官は最近、南中国海の仲裁の宣伝に意欲的で、ASEAN諸国の中で特に目立っている。しかし日本の方が、南中国海問題に邪魔立てしようとする意欲が強く、係争の熱を保とうする最も積極的な外部勢力になっている。フィリピンが、米国が中心となる「南中国海共同巡航」に参加しないと何度も宣言するなか、日本の稲田朋美防衛相は先ほど、米国の同盟国としては初めてこの巡航に加わることを発表した。
米国は大統領選に追われているため、南中国海問題で一時的に低姿勢になったようだ。米国が今後どのように動くかは、南中国海の沈静化を左右する要素だ。
一部のASEAN諸国は米国が南中国海に介入し、地域の大国のパワーバランスを経営することを願っているが、その一方で中米が南中国海で戦略的に衝突する流れを懸念している。彼らは米国を招くのは容易だが、米国が南中国海で何をするかはほぼ制御不可能であると意識した。このような矛盾した心理により、彼らは慎重になり始めており、地域のパワーバランス維持の計画を立て直している。
米日には南中国海で問題を起こす力があるが、フィリピンやベトナムが中国と共に、二国間協議により係争を処理する決意を持てば、誰にも衝突を強いることはできない。ドゥテルテ大統領がベトナムを訪問し、中国との間に係争を抱える主要2カ国が一緒になっても、中国が受け入れられないような姿勢を示さなかった。この動向は前向きに評価されるべきだ。
南中国海の平和と安定に最も関心を寄せるのは、必然的に域内国だ。シンガポールは南中国海に接しており、情勢緩和に貢献すべきであり、邪魔立てしようとする域外大国の手先になるべきではない。シンガポールはASEANで面積が最も狭いが先進的な国として、建設的な中立を維持することが特殊な試練となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月30日