アニメーション映画『君の名は。』は8月26日の公開から28日間で興行収入が100億円を突破した。新海誠監督は宮﨑駿監督に続き、日本で2番目に100億円超えを果たしたアニメ監督となった。本作は『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を抜き、今年一番の大ヒット作になりそうだ。
・大規模な制作にチャレンジ、有名人を声優に
新海監督はこの6作目で、初めて「製作委員会方式」により映画を制作した。従来の「低コスト、小規模」を打破し、公開館数を前作『言の葉の庭』の全国23館から300館に拡大した。また映画公開前に、海外の動画サイトで専門チャンネルを開設し、作品をPRした。映画の小説版も先行発売され、9月20日までに102万9000部を記録している。この積極的な宣伝は、新海監督にとって初と言える。
東宝は『ドラえもん』、『名探偵コナン』などで手堅く興行収入を叩き出すと、『君の名は。』『シン・ゴジラ』という夏のブラックホースにより勢いに乗った。東宝が9月27日に発表した情報によると、この2作品の大ヒットにより、2016年3-8月の半年内の収入が、予想を44.1%上回る165億円に達した。
映画の原曲の売上も注目されている。RADWIMPSによるテーマ曲『前前前世』は、Billboard JAPAN アニメチャート「HOT Animation」で7度目のトップを獲得した。声優陣も以前は無名の俳優を起用していたが、今回は神木隆之介や長澤まさみなど有名俳優が重要キャラの声優を担当した。また映画の大ヒットにより、ファンの「聖地巡礼」が流行している。映画の公式サイトは、節度のある「聖地巡礼」を求めている。