ここ数年、日本の若者は次第に内向きへと変わった。かつて米国で最も多い外国人の入学希望者は日本人留学生だったが、今や米国の大学でその存在はますます薄れている。米国の2016年統計によると、米国での中国人留学生は35万人を突破し、米国の全留学生に占める割合は約30%に達した。ハーバード大学を例にとると、2009年の外国人本科学生のうち日本人学生はわずか5人、中国人と韓国人の学生はそれぞれ36人、42人に上った。日本人学生が米国の大学から次第に遠ざかっていることは、日本経済の不景気という要因に加え、日本の若者がさらに「内向き」となり、海外の異郷を渡り歩くことを望んでいないと考えられる。
大隅良典氏は、今の日本社会が応用研究の方をより重視している上、政府の取り組みも応用研究に偏り、基礎研究の重要性が軽視されるようになったとの見方を示す。彼は自身の受賞をきっかけに政府と社会が基礎研究をもっと重視することを望んでおり、さらに今回の賞金(800万スウェーデン・クローナ=約93万米ドル)の利用や企業など機関の支援によって、若年研究者に長期的な奨学金や研究費用などを何らかの形で提供しようと考えている。