また一部の学者は、長期にわたる西洋化のプロセスを経ながらも、「島国文化」の日本では、保守的な思想が依然として根深いと指摘する。作家の森村誠一は、単一民族の国家の国民が、多民族の国家へと突然乗り込んでも、すぐに負けてしまうだろうと語る。日本は外国と海によって隔てられている。「日本には、異なる文化や異なる人種への適応性がない。外国人に対しては、複雑な態度でこれを観察し、いつもびくびくしているほかない。外国人が日本に来た時と同様に、日本人は、海外に行って外国人と深く接する時にも、ヒステリーと狂躁状態に陥る。言葉の通じないことも、このような状況をさらに深刻にしている」
だが盧昊氏によると、日本社会に出現している内向きの傾向は、民族の性格と日本の国力、国際社会におけるその地位の変化にかかわるものと言える。「内向きであるということは、意気消沈して自暴自棄になることを意味してはいない。むしろ自らに対し、特に自国のアイデンティティと重要な利益に対し、より大きな注意を払うということだ」。盧昊氏によると、デフレによる「失われた20年」に苦しんだ日本は今、民間の資本や技術、ソフトパワーの蓄積を進めると同時に、政治や安全保障における自らの戦略の自主性をより重んじるようになっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月20日
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