中国とインドにはそれぞれ14億人が暮らし、ASEANには6億人が暮らす。人々は携帯端末で相互に連結される。検索記録や決済記録、悩み事、独り言、写真、映像――一人ひとりが毎日、ネット上にせっせと情報をアップロードしている。アジアは、世界最大のデータ生産地となりつつある。
報道によると、膨大なデータを吸い上げるのはもはや米企業の独壇場ではない。革新も、シリコンバレーなどの米国の西海岸に限られてはいない。
アリババのオンライン決済サービス「支付宝」のユーザーは約5億人に達している。決済額は、米大手「ペイパル」の3倍にのぼる。謄訊控股(テンセント)も、11億人にのぼるチャットアプリ「微信」(WeChat)の登録ユーザーを武器に、「微信支付」(ウィーチャットペイ)で海外市場を急速に拡大している。
報道によると、外国企業は中国参入で制約を受けてきた。中国国内では、膨大なデータの海で新業務開拓に乗り出す中国企業が実力と経験を培っている。中国企業が中国から海外に進出するのに壁はない。ニューヨークで上場したアリババを筆頭に、中国で育ったインターネットの巨頭はASEANで利用者を増やし、日本市場にも進出を始めている。
報道によると、現在、データを公正に扱う国際ルールはない。環太平洋経済連携協定(TPP)は、ルール制定の土台となるはずだったが、米国内の政治事情で座礁したままだ。日本の国会は、自動車や農産物を巡る古典的な国益論議に明け暮れ、21世紀の経済の姿を見通すことができていない。
アジアでは現在、デジタル産業革命の嵐が吹き荒れている。この嵐は早晩、日本経済を席巻することになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月13日