米太平洋軍司令官のハリス氏の身元を調べれば、いろいろなことがわかりそうだ。今年60歳のハリスは、日本の神奈川県横須賀市に生まれた。父親は米国の軍人で、母親は神戸出身の日本人だった。日本の右翼メディアは、米軍のこれほどハイランクの地位に日系人が初めて就任したことに歓迎の声を上げ、「日米同盟のシンボルとなる人物」と評した。ハリス氏は今年1月、中国が釣魚島を攻撃した場合、米国は間違いなく介入して日本を防衛すると語った。7月の訪日時には安倍首相と会談し、「日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の要だ」と強調した。ある日本人は「アメーバブログ」で、ハリス氏は日本にとって、「最良の時機に訪れた最強の守護神」と絶賛している。
トランプ次期大統領の選出に動揺した日本メディアだったが、ハリス氏の15日の発言にほっと一安心しているようだ。時事通信は、ハリス氏の発言は、アジアに対する米国の干渉を再確認するもので、同盟国の不安を緩和するものとなったと伝えた。
日本の安倍首相は17日、ニューヨークのトランプタワーでトランプ氏と会見する。インド紙『インディアンエクスプレス』は16日の記事で、一方は政治家一族の血の流れる昔ながらの議員、もう一方は外交や政府の背景を持たない傲慢なアウトサイダーで、安倍氏とトランプ氏は、自由貿易など多くの問題で異なる意見を持っていると指摘した。この記事は、安倍氏の訪米凖備にかかわるある日本人の話として、「今回の会見の第一の目的は個人的な関係を作ることにあり、具体的な問題について議論を戦わせることではない」としている。
米誌『フォーリン・ポリシー』に掲載された記事の分析によると、今回の会見は、安倍氏が米時間9日、トランプ氏の当選を祝う電話をかけた際に提案したもの。トランプ氏にとっては、アジア国家の指導者との初めての準サミットであり、アジアと欧州はこの会見を注視している。今回の会見は安倍氏にとって、トランプ氏の見解を聞く機会となる。日本は、トランプ大統領の就任が同国の安全にいかなる意味を持つかに大きな不安を持っている。トランプの核心的な顧問の一部はすでに、ワシントンにあるアジアの国々の大使館に対し、「米国は、アジア太平洋での軍事プレゼンスの増大を再考するか、アジアから少し離れてテロ対策や米国内の経済問題に打ち込む必要がある」と語っている。
安倍氏はトランプ氏から何を得たいと考えているのか。CNNの16日の報道によると、安倍氏が望んでいるのは、米国による安全保障を確認し、トランプが朝鮮といかに付き合うかを知ることだ。同報道は、テンプル大学日本校アジア研究主任のジェフリー・キングストン氏の「トランプ氏の勝利はアジア全体の不確定性を増す」との見方を伝えた。中国から日本、さらに東南アジアの国々まで、この地域の指導者は皆、トランプ氏が選挙戦での約束を守るつもりか知りたがっている。トランプ氏の見方は、同盟を再編し、地政学的な地図を塗り替え、全面的な衝突を引き起こす可能性さえある。日本の国際政治学者の藤井厳喜氏は日本メディアに対し、安倍氏とトランプ氏の会談は「日本がアジアの主導権を掌握し、中国を牽制する絶好の機会となる」と語っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月18日