次期米大統領に選出されたトランプ氏は本日ニューヨークで、日本の安倍晋三首相と会談する。トランプ氏は当選後、初めて外国首脳と会談する。
安倍首相の身辺に近い筋は記者に対して、安倍首相は今回の会談に意気込んでいると表明した。日本メディアは、安倍首相がこのチャンスを利用し、トランプ氏とプライベートな関係を構築しようとしているとした上で、米日同盟関係やTPPなどトランプ氏と相談すべき数多くの問題があると分析した。
トランプ氏は大統領選で、米日同盟と米韓同盟を気にかけない様子を見せた。トランプ氏は日韓に対して、米軍の経費負担を求めた。さらにトランプ氏は、TPPから離脱すると断言した。トランプ氏が選挙中に発言したようにアジア太平洋政策を打ち出せば、日本が最大の敗者になる。
安倍政権はトランプ氏が当選するとはまったく予想せず、完全にヒラリー氏に賭けていた。今は真逆の状況が生じ、安倍首相は直ちに調整し、これ以上ないほど低姿勢になっている。これは重要な時であれば何でもやり、どんな苦しいことであってもあえてするという、日本政府の極致とも言える現実主義を示している。
トランプ氏はこの忙しい時期に安倍首相と会談することに同意し、同じく柔軟性を示した。トランプ氏はまだ外交チームを発足しておらず、現時点ではアジア太平洋の重大問題について、大統領として発言する能力はないだろう。そのため今回の会談は、これまでのわだかまりを解消し、互いに友好を示そうという双方の計画として見るべきだ。トランプ氏もおそらく、米国のアジア太平洋における同盟国をなだめる、曖昧な言葉を口にするだろう。
しかしトランプ氏はヒラリー氏ではなく、そのアジア太平洋政策がヒラリー氏ほど急進的になるとは思えない。政権運営で特に注目するのは米国経済の復興、米国社会の活力の回復だ。トランプ氏が「偉大なる大統領」になるためには、これに取り組まなければならない。米国のアジア太平洋の同盟関係は、米国の国家安全を守るにはすでに十分だ。トランプ氏がこれらの同盟関係をさらに強化し続けるには、彼が認める米国の利益が生まれなければならない。