日本と中国は外交で対立し、ほぼ修復不可能となっているが、米中間はそうではない。中米両国は競争と駆け引きを展開するが、協力も維持しており、正式な場では互いに友好を口にする。安倍首相は米中関係を日中関係と同じぐらい緊張化させ、米日同盟の中国対抗の性質を際立たせようとしている。中国けん制で中国の力を削ぐよう米国をそそのかし、日本に多くの戦略的余地をもたらそうとしている。
実際には、米国は対中関係でより広い視野を持つ。米国は対中関係には、東アジアの地政学という緯度があるほか、米国経済には中国が必要、米中の世界事業における協力、世界戦略のバランスという緯度がある。中国が世界2位の経済体、核大国であることから、米国が対中関係でムキになるのではなく、大国関係の比較的安定したリズムを維持しなければならない。
そのためトランプ氏と安倍首相の出発点は異なるはずだ。安倍政権の政治の右傾化、中国との対立は行き過ぎており、「アジア太平洋リバランス」戦略を推進するオバマ政権でさえ追いつけないほどだ。日本はヒラリー氏がさらなる推進をもたらすことに期待していたが、当選するのがトランプ氏だとは想定しなかった。安倍首相がトランプ氏を引き込み、日本や右翼の政治的私利に利用しようとしても、必ず失望することになるだろう。
安倍政権は頑なな外交路線を歩んでいるが、これは日本の戦略が受動的になっている根本的な原因だ。さもなければ堂々たる日本の首相が、米国の大統領交代でまるで世界が崩壊したように狼狽する必要はない。またトランプ氏の一言の慰めで恩沢に浴し、身に余る寵愛と喜ぶ必要もない。日本は外交面で勢いがあるように見えるが、多くの国に助けを求め、誰に会ってもぺこぺこ頭を下げなければならない時だろうか?日本人は考えてみるといい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月18日