新潟県十日町市の長徳寺で16日、「平和友好の碑」の除幕式と、中国から強制連行された労働者の追悼式が開かれた。共同通信が伝えた。
第二次大戦中に中国から強制連行され、新潟県十日町市の発電所建設現場で過酷な労働を強いられた元労働者と西松建設が2010年に和解したことを受け、「平和友好の碑」が長徳寺に建立された。石碑には日本語と中国語で、「この歴史の事実を銘記するため、中日両国民の代々の友好と、平和を愛しこの悲劇の再演を防ぐことを祈る」と刻まれ、中国人労働者183人の名前も記されている。
被害者の遺族と弁護士ら約70人が、石碑の前で焼香した。伯父が強制連行された林万発さん(66)は「碑ができて喜ばしいと同時に、昔のことに思いを致すと悲しみを抑えられない。一日も早く全ての強制連行事件が解決するよう求めたい」と涙ながらに訴えた。
被害者の弁護士によると、1944年に少なくとも183人の中国人労働者が、日本の信濃川発電所の建設工事に強制連行され、半年で12人が死亡した。双方は2010年4月、西松建設の謝罪、被害者を支援する1億2800万円規模の基金を設立することを条件に、東京簡易裁判所で和解した。石碑の建立費用は同基金から拠出された。
中国電力(本社は広島市)の発電所の所在地、広島県安芸高田市は2009年に、被害者360人を基金の補償対象とした。新潟県十日町市による措置は2例目。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月18日