日本メディアの報道によると、日本防衛省の複数の関係者は27日、防衛省と自衛隊の情報インフラとして駐屯地や基地を相互に結ぶ高速大容量通信ネットワークがサイバー攻撃を受け、陸上自衛隊のシステムにハッカーが侵入していたことを明らかにした。
巧妙な手法で堅固なシステムの不備を突くサイバー攻撃だった。詳細な記録が残されていないため、被害の全容は明らかとなっていないが、陸上自衛隊の内部情報が流出した可能性は高い。
防衛省の齋藤雅一・サイバーセキュリティ情報化審議官は、「個別の案件には答えられない」とコメントした。一方、複数の自衛隊高級幹部は、「危機的で相当深刻な事態だ。早急に再発防止策を講じる必要がある」としている。
防衛省は外部接続を制限するなど防御体制を強化してきたが、今回のサイバー攻撃に使われた巧妙な手法をみると、国家の関連機関による組織的な攻撃を受けた可能性が高い。同省は深刻な事態と判断し、9月頃の事件発覚後すぐにサイバー攻撃に対する警戒レベルを引き上げた。
関係者によると、防衛省と自衛隊が共同で利用する通信ネットワーク「防衛情報通信基盤(DII)」がサイバー攻撃を受けた。このネットワークに接続する防衛大学と防衛医科大学のパソコンが不正アクセスされ、このパソコンを「踏み台」として利用した何者かが陸上自衛隊のシステムにも侵入した可能性が高いという。防衛省は事件発覚後、防衛省・自衛隊全体でネットワーク利用を一時禁止した。