日本の安倍晋三首相は26日と27日、米国のハワイを訪れ、オバマ大統領に付き添われて真珠湾を訪問した。安倍首相の今回の訪問は、歴史と現実の両面の計算に基づいたもので、見せかけの「日米和解」によって歴史の重荷を下ろし、日米同盟を強化しようとするものだ。だが実際には、第2次世界大戦の歴史認識の問題では、日米間には依然として意見の相違が存在する。さらに重要なのは、かつて日本の侵略を受けた中国などのアジア諸国との和解なしには、日本の歴史における罪悪のページをめくって次に進むことはできない。
ハワイの現地時間26日、安倍首相は、国立太平洋記念墓地(パンチボウル)などの戦争記念施設を訪問した。27日には、オバマ大統領の付き添いの下、アリゾナ記念館を参観し、日本の真珠湾奇襲事件で犠牲となった米軍の将兵を追悼した。安倍首相はその後、真珠湾で演説した。
演説に目新しさなし 侵略の歴史には触れず
安倍首相の演説は二つの層からなっている。一つは、不戦の誓いである。だが真珠湾奇襲への反省や謝罪は拒み、関連する歴史的な背景に触れることもなかった。安倍首相は、戦争は人類の悲劇であるとし、「人道主義」のカードで問題の焦点を移し、日本の軍国主義の罪を覆い隠そうとした。
もう一つは、米国の戦後の日本に対する支援への感謝である。日米が戦後、敵から友になった歴史を強調し、世界にはこのような「和解の力」が必要であり、過去に拘泥するべきではないと主張した。その目的は、第2次世界大戦の侵略の罪に対する正しい認識を日本に求める国際的な正義の声に対抗することである。
安倍首相の今回の演説は、歴史問題についてのここ数年の言動と同じ流れを汲むもので、目新しいものは何もない。アナリストによると、安倍首相は、真珠湾を「歴史の重荷を下ろすための舞台」と考え、日本の対外侵略の歴史には少しも触れず、負の記憶を「清算」し、「日米和解」の名を借りて世界を騙そうとしている。
日本メディアが明らかにしたところによると、安倍首相はかつて腹心に対し、「真珠湾に行けば、日米間の『戦後』問題を完全に終わらせることができる」と語ったという。安倍首相はさらに、「日米関係が緊密であれば、中国などの国も日本に謝罪を求めにくくなる」とまで言ったとされる。