背後にある現実的打算 日米同盟強化
アナリストによると、オバマ大統領の広島訪問後、真珠湾訪問は安倍首相にとって「日米同盟強化」のための外交カードとなった。安倍首相がこの時期にこのカードを切った背後には、現実的な政治的打算がある。
第一に、安倍首相が今回、来年1月に任期を終えるオバマ大統領の故郷であるハワイを訪問したことは、オバマ大統領の広島訪問に対する「返礼」となる。
第二に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの撤退を公言し、日本には在日米軍の経費負担を高めるよう求めるトランプ氏が次期大統領に選ばれたことで、日米同盟は不確定性に直面している。安倍首相は、今回の訪問で日米の「和解」を触れ回り、日米同盟は「希望に満ちている」と強調することで、就任後も日米同盟関係を維持するようトランプ氏に働きかけた。
安倍首相はまた、真珠湾訪問によって外交実績を作ることで、国内の支持率を高めようともした。
「片思い」? 解きがたい日米の歴史のもつれ
だが中国外交部の華春瑩報道官が27日に問うたように、安倍首相は「真珠湾に『慰霊』に行けば、第2次大戦の歴史を完全に精算できると考えているのだろうか?だとすればそれは片思いにすぎないだろう」