中国教育部が発表した情報によると、2017年春季の教材は「14年の抗戦」という概念を全面的に徹底し、「8年の抗戦」を「14年の抗戦」に改めることになった。全国の小中高大の教材でこの歴史の概念が改訂されることになったが、どのような深い意味が含まれているのだろうか。
8年の否定ではなく、歴史全体の連続性を強調
中国の抗日戦争の歴史において、「8年の抗戦」とは、1937年の七七事変(盧溝橋事件)勃発後の全面的な抗戦から始まる。「14年の抗戦」とは、1931年の九一八事変(満州事変)勃発後の抗戦から始まる。これは局地的な抗戦と全面的な抗戦という、2つの段階を含む。
中国教育部は「教材を修正し、8年の抗戦を一律で14年の抗戦とし、日本の中国侵略の罪を全面的に反映する。九一八事変後の14年の抗戦の歴史を強調するのは、前後を貫く全体を、教材中で系統的かつ正確に示すためだ。教材の修正は、小中高大の段階、すべての関連学科、すべての国家カリキュラム・地方カリキュラムの教材を含む」と表明した。
中国教育部は「この措置は、中国共産党中央委員会による、中国抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年に関する精神を徹底し、愛国主義教育を強化するためだ」とした。複数の学者は、14年は8年の否定ではないと強調した。
中国人民抗日戦争記念館の李宗遠館長は「8年を14年とするのは変化ではなく、歴史の元の姿を復元するためだ。1937年は、全民族の全面抗戦の開始という、歴史の節目としての意義を持つため、同じく否定されることはない」と述べた。中国社会科学院研究員、中国日本史学会会長の湯重南氏は「歴史的に8年の抗戦という説を使うのは、当時の特殊な歴史環境を尊重するためだ。14年の抗戦史という説を取り戻したのは、歴史の真実を尊重するためだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年1月12日