日本と米国は先ごろ、米ハワイ沖で迎撃ミサイルの発射試験を合同で行い、米海軍のイージス艦「ジョン・ポール・ジョンソン」号が発射したSM3-ブロック2Aミサイルが、弾道ミサイルに模した空中の標的を迎撃することに成功した。これについて専門家は、「THAAD」や「パトリオット」などの迎撃システムと合わせ、日米が中国周辺において多層で全方位にわたる防衛システムを打ち立てており、アジア太平洋の安全保障に大きな脅威になっていると指摘した。
「迎撃ミサイルの問題は世界戦略の安定と大国間の相互信頼に関わり、慎重に対処する必要がある」。中国外交部の陸慷報道官は6日の記者会見で、日米が行った迎撃ミサイル発射試験に関する見解を明らかにしたほか、米国と韓国が韓国にTHAADを配備することにも反対の意向を強く示した。
パキスタンの防衛関連サイトは、SM3ミサイルが日米の戦艦に搭載されれば、米軍と日本の自衛隊が中国の「東風(DF)-21」と「東風-26」ミサイルに対処する能力が大きく高まるとの見方を示した。外交評議会(CFR)のシニア委員を務めるヘギンボサム氏は論文で、THAAD迎撃システムの最大射程高度200kmに比べ、新スタンダードSM3ミサイルは射程が劣るものの、対衛星能力があるため「中国の低軌道軍事衛星に対処することが可能」と分析した。
「項荘舞剣、意在沛公(正当な名目を掲げているが狙いは別にあること)」。中国の鯤騰全球防務研究センターのチーフ科学者で、ミサイル専門家の楊承軍氏は6日、『環球時報』に対し、新スタンダードミサイルの研究開発が成功し、日本の海上自衛隊に配備されれば、日本の軍国主義の広がりを助長し、アジア太平洋地域の平和と安定に大きなマイナスになると指摘。「ただ、試験で迎撃目標となった標的の軌道と通過時刻は予見可能なものなので、実際の戦争では中国のミサイルを迎撃することが出来ないだろう」との見解を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月7日