日本の安倍晋三首相は2016年の米大統領選終、トランプ大統領に最も強く取り入ろうとしている海外首脳になっている。
日米同盟はこれまで、日本の外交戦略の基盤をなしてきた。しかしトランプ大統領は選挙中、安全・経済などの問題で日本批判を繰り返した。安倍首相が訪米を急いだのは、疑問を払拭し、日米同盟が依然として盤石であることをPRするためだ。
この目的を達成するためには、代償が必要だ。そこで安倍首相はトランプ大統領の好みに合った、特大級の「手土産」をプレゼントした。
トランプ大統領が重視する国内の雇用問題について、安倍首相は訪米前、今後10年間に渡り米国のインフラに1500億ドルを投資し、米国で70万人分の雇用機会を創出すると宣言していた。
トランプ大統領は日米の二国間協議を主張しているが、日本はTPPに類似する多国間協議により利益を手にしようとしている。しかし安倍首相は首脳会談後の記者会見で、日米の「新経済対話」により経済貿易などの交渉を進めることに同意するとした。実際にはトランプ大統領に妥協し、二国間協議を受け入れることを余儀なくされた。
日本側のこれほど大きな「手土産」により、トランプ大統領は安倍首相の日米友好の芝居に出演し、さらに米国が「従来通り」日本の安全を守ることを確認した。
会談の結果を見ると、安倍首相は安心できる材料を手にし、日米同盟に変化が生じるという疑問をある程度払拭した。しかしながら安倍首相が日本と米国を完全に結びつけるのは、容易なことではない。
2月11日の合同記者会見では、皮肉な一幕が演じられた。安倍首相は自ら産経新聞の記者を指名し、トランプ大統領に「中国への注意」を喚起する質問を投げかけた。為替や南中国海問題で中国を批判させようとしたが、トランプ大統領はすぐに、米中友好はアジア太平洋諸国にとって利益になると表明した。
それだけではない。安倍首相とトランプ大統領が会談後に「がっちりと」交わした握手は、メディアから注目を集めた。メディアは「気まずい19秒」と描写した。
CNNは「トランプ大統領は安倍首相を引き寄せ、手で何度か叩いた。19秒の握手が終わるとトランプ大統領は手を離し、安倍首相は残念そうな表情をした」と伝えた。