安全は隠れみの 軍事力の強化が目的
朝鮮が2月12日に陸上配備型機動式固体燃料ミサイル「北極星2」の発射実験を行ったのを受け、日本自民党は「チャンスをつかめ」とばかり、「THAAD」導入に向けた論陣を張っている。
ますます激化する朝鮮の「ミサイルの脅威」に対応するためというのが、日本がこれまで使ってきた理由だ。呂耀東室長は、朝鮮への対処は口実にすぎず、主要なターゲットではないと指摘する。軍事技術の角度から言えば、日本が「THAAD」システムの導入を検討しているのは、国内に現在ある二段階MDシステムの穴をふさぎ、より完全な三段階MDシステムを構築し、周辺国家に対する抑止力を強化するためだ。
中国現代国際関係研究院日本研究所の霍建崗・副研究員も、「THAAD」の導入は、日本の軍備をより完全なものとし、日本を軍事大国へとさらに近付けるものとなると指摘している。
形を変えた「みかじめ料」?
軍事専門家の尹卓氏は、安倍政権が「THAAD」導入を提案すれば、米国が販売を考慮する可能性は高いと語る。米国は現在、日本に「みかじめ料」を高めるようにと日本に迫っているが、日本にとっては難しく、米国からより多くの武器装備を調達するという形でそれに応えるしかない。
だが日本は、金を払えば何でもできるというわけではない。システムの操作という問題では、日本と米国には意見の相違が存在する可能性がある。日本は、米国が「魚」をくれるだけでなく、「釣り方」まで教えてくれることを望んでいるが、この都合の良い計算は実現するとは限らない。