「米日防衛協力のための指針」にもある姦計
次に、たとえ米国が国内手順を終え、確実に釣魚島に対する「防衛協力」に参与しても、その形式は必ずしも日本側の期待通りとは限らない。これは米日の平時と戦時の軍事分担を規定した「米日防衛協力のための指針」にかかわる。
2015年に改正された最新の「米日防衛協力のための指針」の中の「地上戦」の項目に、島嶼作戦の内容を新たに増やして、そのうち米日両国の分担の見解に関して次のように意味深長に書いてある。「島嶼の含めた地上攻撃に対して、自衛隊を主体として作戦を実施する。(The Self-Defense Forces will have primary responsibility for conducting operations to prevent and repel ground attacks, including those against islands.)必要が生じた場合、自衛隊は着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦、水陸両用作戦及び迅速な部隊展開を含むが、これに限られない必要な行動をとる。米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」
目の利く人であれば直ぐ分かることだが、このくだりは次の点を明確にしている。「島嶼防衛」または「島嶼奪回」作戦は、自衛隊によって責任を負い、米側が責任を持つのは「支援(support)」と「補給(supplement)」である。
それでは、何が「支援」で何が「補給」か?この中の解釈の余地はほとんど「無限大」と言っていい。「支援」を例に挙げると、火力支援は「支援」とカウントできるが、情報支援、電子戦支援も同様に「支援」と言える。米軍は一体何をもって支援行動とするのか、日本側の言い分と、天地の差があると言えよう。
米国依存は当てにならず