これは日本の陸上自衛隊の上陸作戦部隊「水陸機動団」の編成に向けた「水陸機動教育隊」だ。その発足は、長く計画されてきた日本版「海兵隊」の本格的な始動を意味する。
注目すべきは、日本の上陸部隊は他国と異なり、海軍(海上自衛隊)ではなく陸軍(陸上自衛隊)に所属する点だ。これには「離島奪還」に向けた長期的な準備という、直接的な原因がある。
平和憲法及び法的解釈の枠組み、かつての「専守防衛」の原則の下、戦後日本は攻撃的な上陸部隊を持たなかった。
急な需要を満たすため、陸上自衛隊は一部の特殊作戦部隊を基礎とし、2002年に日本初の島嶼作戦を主な任務とする、約700人規模の部隊「西部方面普通科連隊(西普連)」を発足した。
釣魚島情勢の2012年以降のエスカレート、安倍政権の発足に伴い、日本は東中国海方面の軍事的準備を強化していった。防衛省は2013年末に新たな「防衛計画の大綱」を発表し、上陸部隊「水陸機動団」を発足すると明記した。その後発表された編成案によると、この部隊は3個連隊を基幹とし、長崎県佐世保市への配備が予定されている。部隊の規模は約3000人。
西普連が水陸機動団の第1連隊となる。機動団全体が西普連というエリート部隊をベースに拡張される。
この日のために、陸自が十数年も準備をしてきたことが分かる。
離島奪還という戦闘を展開するため、日本はすでに準備を整えている。強襲揚陸艦、ヘリ空母、さらにはエアクッション艇、各種ヘリ、全面的に配備される水陸両用車など、ハード面はほぼ揃っている。
しかし日本は戦後、上陸部隊を発足したことがない。第二次大戦中であっても、旧海軍陸戦隊はそれらしい上陸作戦もしくは離島奪還作戦を展開したことがない。むしろ旧日本陸軍は太平洋の「離島防衛」の経験がある(防御作戦と全軍玉砕の経験)。そのため日本は一定期間をかけて上陸部隊のノウハウを積み重ねる必要があり、米軍に教えを請うことになる。
だが伝統ある外交強国である米国は、対外条約の中で自国の解釈の余地を最大限に残すことで、十分に「柔軟性」を発揮しようとする。しかも米日同盟には相互利用の一面があるが、相互警戒の一面もある。米国にとって、同盟国の偶発的な衝突に巻き込まれるのを防止することは、同盟関係の「管理」の重要な取り組みだ。
そこで米国は外交のテクニックを用いた。米日両国は2015年、米日防衛協力のための指針を見直した。この文書は米日同盟の軍事分業及び戦時中の行動に関する指針で、「戦時中にどのように戦うか」を決める文書でもある。
日本側の要請に応じ、2015年版の指針の「陸上攻撃に対処するための作戦」という項目に、「島嶼作戦」の内容が追加された。うち米日両国の分業についてはこう記されている。
「自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的に実施する。 米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」
いわゆる「離島防衛」「離島奪還」作戦は自衛隊が担当し、米軍が担当するのは「支援」と「補完」であることがはっきりしている。
分かりやすい言葉に言い換えるならば、あなたが離島を奪還し、私は影からサポートしますよということだ。
どのようにサポートするというのだろうか。「支援」と「補完」という言葉は要検討だ。「支援」を例とすると、米軍の用語によると火力支援も「支援」であるが、対岸の火事を見物するような情報支援も「支援」に当たる。
「補完」とは、装備・弾薬・燃料を補完するのか、それとも日常物資を補完するのかでは、大きな差がある。
米軍がどのような「支援」と「補完」を行うかによって、日本にとっては天地の差が生じる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月30日